第8 回 - 貨幣価値(円と人民元)

日系企業チャンネル 乾 亘
2009-12-28

 円・人民元の為替交換レートを基に貨幣価値は決まっているが、そのほかにもモノを介して推し計る為替レートもある。例えば、各国のマクドナルドビッグマックの値段で比較するビッグマック指数、スターバックスエスプレッソの値段で比較するエスプレッソ指数などが有名である。

 
 先日、上海ホワイトカラーの昼食平均支出の統計が出ていた。1 人当たり20―30RMB だそうである。円にすれば300―450 円といったところか。平均給与から考えれば、日本と比較してかなり高水準である。ただし、一方では8RMB 弁当も存在するし、地元の店なら10RMB 前後で充分の量が食べられる。しかし普通、上海の購買の中心はこれらホワイトカラーと考えられるため、彼らの食生活レベルで外資産業のマーケテイングは進んでいくのだろう。久光百貨店では1本を半分に切った大根が15RMB 程度するが、カールフールでは1本が1.2RMB、何と30 分の1になる。あまりに差の大きい消費社会格差が混在するマーケットでは、一律にマスの広告を打つことはあまり意味をなさなくなってきている。
 
 実は、為替レートも同じような効果が考えられるのではないだろうか? 中国はあまりに巨大な国家であるため、社会構造・経済構造は複雑を極め、容易に国家統一のレートが決められない状況であるに違いない。よって最近では通貨の全面開放には触れずに、実現可能なところから徐々にその窓を開き始めている。貿易決裁に人民元を利用することも然り、銀聨カードも然り。QFII などもこれに入るだろう。ひょっとすると中国は今後も長く人民元の完全開放は避け、これまでの延長線上のパッチワーク的外貨政策を継続するのではないだろうか。
 
 米国発の金融危機に始まった今回の経済不況の傷もまだ充分には癒えていない状況下、世界経済に占めるウェイトが高く、影響の大きい中国に牽引役を期待する向きが多い。その意味からも人民元開放外圧は当分、強くなりそうもない。長期で見れば方向性は開放だが、当面はパッチワーク的政策でつないでいくと考えられ、貨幣価値が純粋にマーケットで決定されるまでにはまだ時間が必要になりそうだ。と言うことは、少しでも人民元安にしておきたい梃子が働き、割安に据え置かれる。このことが上記のビッグマック指数等にも反映している。
 
ただし、エスプレッソ指数は円・人民元レートと比較してもほとんど割安感がないことから、ターゲットマーケットによる明らかな格差が見て取れる。あらゆるターゲットが細かくモザイク模様に分かれているのは、中国が大国であることを示している。島国日本人には、これまでの自分の見方を変える発想が大事だ。様々な消費物価貨幣指数が存在する分だけ、消費マーケットも多様化していると考えておかしくない。

閉じる

 
 
     
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

▲ページのトップへ

住所:上海北京西路1277号国旅ビル1705室(西康路) 郵便番号:200040
電話:6279-1222*103/105/106/108 6279-4246 FAX:6279-4238 E-mail: info@jccsh.com

COPYRIGHT © 2007 上海誠日塾人材コンサルティング有限公司. ALL RIGHTS RESERVED.

沪ICP备08006870号  |  人才中介许可证号 松012号