第7 回 - 80 后は優秀である

日系企業チャンネル 乾 亘
2009-12-25

 かつて日本でも「新人類」と言った時代があったが、「80 后(80 年代生まれ)」もいささかこの言い方に似ている。ただし、私自身がこの「80 后」に抱く印象は決して悪くなく、むしろよい方である。正直、かつての中国に常識として存在した「並ばない」「痰を吐く」「公共道徳を守らない」「挨拶をしない」「返事をしない」「時間を守らない」などという社会通念一般に関しては、かなり改善されている世代だ。また、「義務と権利」の概念も、話せば分かる水準にまで向上してきている。
 
 一般に「80 后」は甘やかされて育ったので辛抱が足りない、すぐに諦めてしまう、協調性がないなどと揶揄されているが、逆に冗談っぽく言えば、辛抱強くなかなか諦めずに、皆に溶け込みながら悪いことをするよりはるかによい。公共交通などで年配の人に積極的に席を譲っているのも、四川大地震のボランテイアの中心になって活躍したりしているのも「80 后」の若者達だ。席を譲られた年配の人たちが、なぜこの若者達にお礼を言わないのか、こちらの方が不愉快な気持ちになる。
 
 私共に登録に来る若者達は非常に礼儀正しく、純粋で優秀であるため、一般で言われている「80 后」批判にはどうも賛成できない。また、各日系企業で働いている「80 后」も結構評判がよいし、成果も上げている。このギャップが何とも理解できないのであるが、はたと気付いたことがある。それは「高学歴80后」は一般の「80 后」とは違うのではないかということである。「高学歴80 后」には、小さい時から本当の意味での継続した高等教育を受け、家庭でもそれなりの教育水準が維持された子弟が多いのではないだろうか。人生の途中で教育環境が著しく変化せず、首尾一貫した教育を受けてこられたため、「高学歴=文化水準」という図式が描けるようになっているのではないだろうか(全部ではないが)。
 
 ここ中国では、親が子供を連れて堂々と赤信号を渡っている風景や、若者がきっちり赤信号で待っているのに老人が無頓着に横断する風景を見かける。普通、道徳では「長幼の序」ではないが、いろいろなことで年配に学ぶところが多いはずだが、ここ上海では当てはまらない。一般に子供は親の背中を見て育つと言われ、人生の多くのことを年配の人に教わる。こういった社会教育が充分にある環境の下でなら、年配者が最近の若者に対して道徳面も含め、とやかくうるさく指摘し「80 后」と揶揄しても納得してもらえそうだが、何だか上海は違うように思う。「人の振り見て我がふり直せ」ではないが、言っている人たちが「五十歩百歩」では説得力に欠ける。

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