⑧人材育成は企業発展の骨幹を育成しないと酷寒

2009-10-30

(1)新卒は何故駄目なのだろう

 企業担当者と人材募集条件でいつも担当者にいわれるのが「新卒ではなく、なるべく2年から3年の日系企業経験者を」。私はこの言葉を聞くと、新卒と2、3年の経験者で何の差があるのかと考えてしまう。確かに社会的マナー面では経験者のほうが多少、新卒より知識はあるが、1つの仕事に対して1人で完璧にこなすのはどちらとも無理であろう。さらに考えてもらいたいのが、1つの企業に入って2年や3年で辞めてしまうことは何を意味しているのかということだ。

 日系企業はもう少し中国人材マーケットでの考え方を、「人材は消耗品」から「人材は育てるものである」という考え方に大きく舵を切るべきである。企業に対するイメージは採用時に色濃く、中国語でいえば「不得人心」の企業とは思われないようにしたいものである。

(2)人材募集よりも人材流失に注意すべし(特に企業文化の継承面で)

 優秀な人材とは個人能力(言語力、仕事力、潜在力)が高く、企業文化を深く理解し、かつ企業に対し忠誠心のある人材を指している。現在、日系企業では個人能力に重点を置いており、企業文化の理解や継承に対してあまり関心をもっていない。旧スタッフが離職し、代わりの人材を採用していくうちにだんだんと会社全体の人材総合能力が下がることは間違いない。企業文化の理解、継承といった観点からいえば、人材を簡単に手放さないこと、人材の求心力をいかに高めるかに腐心することによって、また全く違った一面が見えてくるはずである。

 人材を育てることでコスト、ソフト、ハード、カルチャーで大きな差が出てくることは、はっきりしている。「辞めたらまた採ればいい」「コスト削減で首をすげ替えよう」「採ってしまえばあとはノーケア」「どうせ給与の高い企業に流れるから」。これは全く「人材は消耗品」の考え方に収斂してしまう。

 約60社の大手有名日系企業に対して行ったある調査に拠れば、日系企業対欧米企業の収入格差は、一般職で43.8%、課長以上のポジションで56%だった。給与差から見れば相当開きのある数字ではあるが、実は課長職以上のポジションで、日系企業が給与上昇率で欧米企業を抜いているのである。

 欧米企業の8.6%に対し、日系企業では9.7%。サブプライム問題から世界規模の金融危機が吹き荒れる今、経営不振や撤退などの問題で、欧米企業の優秀な人材がマーケットに流れ出してくることが予想される。この金融危機を逆手に取り、優秀な人材発掘の好機と考える柔軟さも今求められている。

 「採用した人材にはきめ細かいフォロー」を、また「人材採用には大胆な発想」を、この2点に配慮した人事施策をこれからは果敢に遂行してもらいたいものである。

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